文キャンアーカイブ

33号館高層棟の面影

33号館高層棟は取り壊しが完了し、既にその姿を見ることはできない。
今日では完全に失われた風景である内部空間を切り取ったパノラマを集めた。
高層棟の入口の床には長谷川路可によるモザイクが据えられていた。
往来によって少しずつ表面を削られていくモザイクは、時間の経過と共にその丸みとやさしさを増していく。
研究室前の細長い廊下は独特の薄さを持つ建物の形を想起させる。
美しいカーブの手すりを持つ階段と、コンクリートと配管がむき出しの階段は対照的でありながらも、共通したコードを持っていることが分かる。

撮影:鹿野安司 http://shikanoyasushi.com/
panorama

2012.6.10

33号館高層棟の面影

もはや失われてしまった33号館高層棟を内部から。階段の二つの顔が垣間見える。(掲載数:6)